具体的に、どんな効果があるの?
★心身症への有効性
心配事で眠れなかったり、ストレスでイライラしたりする不安定な心の状態によって、身体にあらわれる病気を心身症と呼んでいますが、最も多い例としては、不眠症、高血圧、気管支喘息、胃潰瘍などがあげられると思います。この場合、症状を治療することと同時に、その根本的な原因である心の状態を癒すことも大切です。
この場合、神経系を鎮静する生理活性物質セロトニンを分泌させる効果のある香り(ラベンダーなど)をかぐことにより心身をリラックスさせることができます。
★成人病への有効性
鉄のさびや油の黒ずみなどは酸化による現象ですが、私たちの身体の中でも似たようなことが起こっています。この酸化こそが老化の本質です。血液が酸化すると動脈硬化など成人病の一連の症状が起こり、また脳が酸化すればボケ症状が起こるといった深刻な病状が現れてきます。
数百種類もあるハーブには共通の有効成分として、これらの酸化を防ぐ作用があるのです。そのため、ハーブの香りを生活に取り入れたり、活性酸素を除去する酵素SOD(活性酸素除去酵素)がたくさん含まれているハーブティなどを毎日飲むことは、老化防止、成人病予防に有効です。
★生理作用
植物界には、森林の中の1本の木に害虫がつくと、その木がある種の香り物質を出して警告を発し、それを感知したほかの木は防御体制をとるといった現象が見られるそうです。このように香りは重要な情報の伝達物質となります。エッセンシャルオイルの香りが鼻から脳下垂体に伝わると、自律神経系、内分泌系、免疫系の各システムに生理活性物質が伝達されます。
例えば、旅先で枕が変わると眠れないという場合などは、いつもと違う匂いにより自立神経に不調和が起きているケースがあります。このように香りは私たちの生理に対して直接的に働きかけています。
★心理作用
香りは脳の中で記憶を司る海馬というところに伝達されます。この時、まわりの光景や状況、感情などが結びつき脳にしっかり記憶されると、再びこの匂いをかぐことで、結びついていた感情などがフィードバックされます。このためイメージからくる心理作用がかなり影響されるので、有効成分のみならず自分の好みの香りを選ぶことはとても重要です。
★抗菌作用
植物は病原微生物から身を守るため、自ら抗菌物質を出す能力を授かっています。エッセンシャルオイルの持つ強力な抗菌力は、空気中に漂う香りの分子により、ブドウ球菌、サルモネラ菌といった細菌からカンジタなどの真菌まで、その発育を阻止することができます。またインフルエンザウイルスなどのウイルスに対しても抗ウイルス作用があるといわれています。
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